e−たわごと No.057

投稿日 2003/08/11  ひまわり
寄稿者 八柳修之


 
 iwayama3の表紙が、東北農試のひまわり畑に変わった。この風景は袰岩さんにリクエストしていたものである。袰岩さん、覚えていてくれて有難う。
東安庭から厨川へ引越してから、春の桜並木、菜の花畑と並んで東北農試三景(私が勝手に命名したもの)の一つとして、暑い夏の季節、ただ一面に咲きわたったひまわり畑の素晴らしい風景の記憶がインプットされていたからリクエストしたのであった。
 いつも袰岩さんの写真を楽しみにしている女房は、「今年は冷夏のせいでしょうか。ひまわりの育ちは悪いようですね」と言った。夏の暑い太陽のもと、スペインのアンダルシア地方のような大きなひまわり畑を期待していたようだった。ひまわりにはギラギラとした夏の太陽がお似合いだ。それにしても、本年の夏はどこへ行ったのであろう。袰岩さんの言葉を借りるとまさに『消えた夏』である。
 「ひまわりは油を採油するためでない。麦を連作すると地力が落ちるので、ひまわりや大豆を植えて根にできる根瘤バクテリアで土壌を改良する。葉や茎が柔らかい方が肥料にもなりやすいから、一週間くらいで刈り取る」 「さすがお父さんの息子ね」と感心されて一寸良い気持ちになった。
 
 ひまわりの話一題。昔、イタリア映画で「ひまわり」という映画を観たことがあった。1970年制作のイタリア映画である。この年に結婚したから、製作年まで覚えていただけのことだ。この映画をBSでまた観る機会があった。 
 そのあらすじ、『ある女(ソフィア・ローレン)とある男(マルチェロ・マストロヤンニ)は、ナポリでの幸せな新婚生活も束の間、男は第二次世界大戦でソ連戦線に送られる。敗戦、女は男の生存を信じて毎日、役所や駅へ足を運ぶ。だが行方不明という情報しか得られない。やがてスターリン時代が終わりソ連へ行けるようになると、女はソ連へ男の行方を捜す旅に出る。苦難の末に捜し当てるが、男は現地の女性(吹雪の中、行き倒れの夫を助けてくれた人)と結婚し、子供まであるのを知る。女は男と一言も交わさず、失意のうちにナポリへ戻った。女は、私がこれまで恋しい夫を待ち続けた日々は一体なんだったんだろうか、と自問する。だが気持ちの切り替は早かった。
 一方、男は女を一目見てからというもの魂が抜けたような人間となった。それを敏感に感じ取った現在の妻は一度、事情を話しにナポリへ帰ったら、という。だが内心、戻って来るか心配でもあった。
 ナポリへ着いた男は女に電話し、事情を説明したいと言うが断られる。もう深夜、汽車はなく、おまけにスト、雨も降っていた。男はどうしても逢いたいと執拗に電話する。アパートを訪ねた男は「もう一度やり直したい」という。女も少し気持ちが動いたが、そのとき赤ん坊の泣き声がした。「あなたにも子供がいるんでしょう」と女は言った。男は帰るしかなかった。女はソ連に帰る男の姿をナポリ駅で遠くから見送る。というのがラストシーン』
 
 見終って、女房は「昔はイタリアも、倫理観はきちんとしていたのね」と言った。「でもなぜ、タイトルがひまわりなのかしら」と続けた。
 女が男を捜してソ連の農村を彷徨ったとき、広大なひまわり畑のシーンがあったが、これが、タイトルになったのであろうか。原題はGIRASOLE ひまわり以外の訳語はない。女房は、ひまわりの花言葉を調べたら「愛慕」だという。GIRAは廻るという動詞、SOLEは太陽という意味である。
 男は女(太陽)の周りを廻っているからであろうか。ちなみにGIRASOLEは男性名詞である。
(8・11 八柳 修之

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