e−たわごと No.068

投稿日 2003/10/31  ポルトガル点描1
寄稿者 八柳修之

 ポルトガルの旅、一体、いくつの大聖堂、教会、修道院を訪れたことであろうか。それはカトリック教徒でもないくせに、いわば古寺巡礼でもあった。
お寺めぐりは割愛し興味のあったポルトガルの風物・諸物を紹介したい。
 

アズレージョ(azulejo)
 
を歩いていると、教会、修道院、公園、駅などで大きな装飾絵タイルを目にする。青を基調に黄色や赤も使われている絵もあるが、多くは青一色の絵が多い。ポルトガル語で青色をアスール(azul)といい、アズレージョの語源もそこにあるという。15センチ四方のタイルに一枚一枚手で描き、焼いた風合いは淡い水色である。もともとアラビア人がもたらしたものであるが、彼ら独特の幾何学模様は見られない。そこに描かれているのは、宗教画にとどまらず、当時の町の歴史や風景、風俗やインド航海からもたらされた植物などもあり興味深い。青色が基調となっているが顔料はコバルト、アフリカ産であるという。「なんだ、便所タイルじゃないか」と言った人もいたが、かって日本の家庭の磁器食器がこの色合いが多かった。
 写真はアヴェイロ(Aveiro)という駅の駅舎のアズレージョである。絵は昔の町の風景であるが、ベンチで電車を待っている農民と思われる人々の姿は素朴でなぜか懐かしさえ感じた。

コルク樫(corisa)
 
 ルトガルは山がちな国であった。高い山はないが低くうねるような地形、目につく木は松とユーカリ(いずれもパルプ材)、そして南部ではコルク樫であった。耕作出来るような土地は少ないようで新天地を求めブラジルやアン
ゴラへと殖民した事情も理解できるというものだ。
 現在でもこの国の収入は観光と海外からの出稼ぎ者の送金、そしてコルクとワインの輸出から成り立っている。なかでもコルクは全世界のコルクの70%を生産するという。なにしろ全世界で一日4000万本ものワインを飲むというからその殆どのワインのコルク栓はポルトガル産なのである。ガイド氏の説明によると、25年かけ幹の太さが70センチ以上になってやっと皮を剥がすことが出来、そして再び皮を剥がせるように再生するには10年かかるという。剥がした木の皮、つまりコルクは蒸気と重力をかけて伸ばす。最初にワイン用のコルクを切取り、残った屑は細かくして接着剤で合板にするという。ポルトガルがなぜコルク樫の生育に適しているのか聞くのを忘れた。

写真はコルク樫の老木、人も樹齢60〜70年以上です。(10.31)

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