e−たわごと No.071

投稿日 2003/11/02  ポルトガル点描3
寄稿者 八柳修之

マント(合羽 capa)
 
 写真はローマ時代に築かれた古い町エヴォラで偶然見かけた大学の新入生歓迎風景である。新入生が広場に寝ころがり、マントを着た上級生達が新入生にポップコーンを投げつけ、これを鳩が啄ばむのを囃したてている。土人踊りのような一種の通過儀式である。 エヴォラ大学はイスラムの支配が終った後、イエズス会が開校したという古い歴史がある。大学生の着ているマント姿を見て、旧制高校時代を懐かしむ人もいた。だが、弊衣破帽、バンカラではない。聞くと大学には制服があり、男女とも黒いスーツ、夏でもマントを羽織るのが正装であるという。同じく伝統のあるコインブラ大学では、男子学生がマントを着てファドを歌うという。こちらのファドは陽気であるという。将来を約束されたエリートであるからだろうか。1584年にエヴォラの大寺院を訪れた天正派欧少年使節団が、大寺院でパイプオルガンを見事に弾いて人々を驚かせたという。
 歴史で習ったように1543年の種子島鉄砲伝来、1639年に幕府がポルトガル船の来航を禁止するまで両国間の交流があった。言葉の面でも、ポルトガル語に影響された日本語がかなりあることは知られている。 バスの中でみなさんが挙げたもの。カッパ(合羽)、カルタ、コッポ(コップ)、ボーロ(丸いお菓子)、コンフェイトウ(金平糖)、フラスコ、メイアス(メリヤス)、ジャーロ(ジョーロ)、タバコ、ビードロなど。逆に日本語からポルトガル語になったものとして、ガイド氏は屏風(ビョンボ)、坊主(ボンゾー)、醤油(ソージャsoja)があるという。当時の人々が初めて目にしたもので、自国語にすることが出来なかったものである。それにしても最近の外来語、カタカナの氾濫は目に余るものがある。

 

マントを着た大学生達の新入生歓迎儀式

 

焼き栗のオバサン、一袋1.5ユーロ(約200円)

 

ポートワイン

 
 子供の頃、ワインは甘い飲み物、男が飲むものではないという概念があった。クリスマスやお正月などおめでたいことがあると、女子供は壽屋の赤玉ポートワインをほんの少し口にしたものだった。ワインが一般的なお酒として親しまれるようになるまでに時間がかかったのは、赤玉ポートワインが男達の舌に先入観を与え罪作りなことをしたからである。
 ポルトガルを代表するポートワインは大西洋に面したドゥーロ河河口の第2の都市、ポルト(Port、港の意)に国内から集められ、熟成を重ね輸出されたことから名づけられたワインである。ポートワインは食前酒、食後酒である。ポートワインの甘さの秘密は発酵の途中でブランデーを加えて発酵を止める。そのため糖の甘さが残るから甘いワインになるそうだ。このようなワインを考えたのはイギリス人であった。今年のようにブドウの出来のよい年は、若いワインのままイギリスに輸出され、そこで熟成され再輸出されるという。
 ツアーではドゥーロ河上流を中心とした北東部、モンターニャスを観光船で訪れた。文字通り山が深く、河の両側の斜面を利用したブドウ畑が連なっていた。勿論、ワイナリー見学も入っていた。一寸弾んでビンテージものを2家族で分け合い試飲したが、もとより味は判らない。私にはチリワインやアルゼンチンワインで十分である。(11.2)



世界遺産となっているポルトの町の景観

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