e−たわごと No.086

投稿日 2004/03/25  美しい南部弁
寄稿者 松風緑子

いつぞや八柳さん、小川智子さん、絢子ちゃんがHPで盛岡弁を書かれていた事あったでしょう? 文字を見るのでなく 話してるのを聞けば ゼスチャー、言葉の抑揚 前後の意味から 少し位解るかなー? でも盛岡に根っこの無い私は 全く解らなくて当たり前と思ってました。

ところが最近とても興味深い一文を読みました。
劇団四季の浅利慶太が 親しかった寺山修司の東北弁の響きに刺激されて 日本語と方言について書いたもの。少し紹介します。

  東北弁の美しさを発見

高校生の頃、師加藤道夫から言われたことがある。
「日本で一番美しい言葉は東北弁だと思う。あのやわらかな響きが標準語だったら、日本におけるオペラと詩劇の完成は一世紀早まっただ
ろう。」
この言葉は私を愕然とさせた。もともと親の代が東京の下町の私は、言うなれば江戸弁訛の標準語を話す。少し早口でもある。
(中略)
その私の耳で東北弁を聞くとなんとなく間のびしている。ズーズー弁という差別語的発想はないがそれにしても「美しい」とは感じられない。
しかし師の一言は私の目から、ではなく耳からうろこを落としてくれた。以後しっかりと心をこめ東北弁を聞く。なるほど様々な音が響き合っている。

とくに半母音が美しい。標準語は母音をもって構成されているがその中に半母音はない。フランス語やイタリー語にはある。鼻母音などはフランス語を美しくしている大切な要素である。そして東北弁は地域によって、それぞれの独特の響きをもっている。南部(岩手)と伊達(とくに仙南)の言葉はかなり異なる。私見では音楽的には南部弁が美しい。
寺山は生まれ故郷の津軽弁を使うが、南部と津軽は隣接している。

この地方の言葉の勉強をつずけてゆくと 東北地方には五十ぐらい響きの違う場所があることに気ずく。 日本一優美な大言語圏なのである。
(中略)
この言葉に惚れ込んでしまった私は 東北弁を使っていくつかの作品を作ってみた。その中の三浦哲朗原作を舞台化した ミュージカル 「ユタと不思議な仲間達」 は少し自慢できる。
(中略)
99パーセント南部弁である。地元の文学者の方からも美しいと岩手日報紙上でご評価頂いた事がある。


これを読んで私は 是非とも半母音なる美しい響きの南部弁を聞きたくなりました。幸いな事に周りにいっぱい 盛岡に根っこのある友達がいる。 そのうち誰かが聞かせてくれる事と期待してます。

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