e−たわごと No.093

投稿日 2004/04/27  南仏プロヴァンスの3日
寄稿者 八柳修之

ピーター・メイルの「南仏プロヴァンスの3日の12か月」というエッセイ本で、プロヴァンス地方はよく知られるようになった。題名はそのぱくりである。
南仏に魅せられたメイル夫妻が、古い農家を買って移り住み、近所の農民や市場の商人らと付き合いながらプロヴァンスの生活を身につけていく。
プロヴァンスの四季の移り変わり、豊かな食事風景など描かれている。
プロヴァンス地方の大きな港町がマルセイユ、エクサンプロヴァンス、アルル、アヴィヨンを駆け足で廻った。ニース、モナコ、カンヌに代表されるコートダジュールは、陽光あふれ、真っ青な海岸線で世界中のお金持ちがヴァカンスにやって来る高級リゾート地である。
一方、プロヴァンス地方はコート・ド・ブルーと呼ばれ、海の色のブルーは少し淡い色、それだけお高くとまっているという風には感じられない。
何しろ高速バスでの駆け足、田舎の様子は車窓から窺い知るだけである。
ぶどう畑が多い。長い日照時間と石灰質の土壌はぶどうの栽培に最適で、耕地面積の約半分がぶどう畑であるという。ミストラルと呼ばれる強風が吹くので、防風林にポプラなどの木が植えられている。
一見豊かに見える土地であるが、若者はパリや都市部に出てしまい、後継者不足、特に嫁不足は深刻な問題、フランスの農業危うしであるという。

安旅行なのでレストランで出るワインも安物、同じ安物ならチリやアルゼンチン、南アの方に軍配である。
だが、マルセイユといえばブイヤーベース、南プロヴァンスを代表する料理くらいは出る。もとを正せば売り物にならぬような小魚でスープを作り、白身の魚を加えた漁師の料理だった。レシピは次のとおり。書取っても作るわけはないのだが。
最初のお皿のスープは、玉ねぎをオリーブ油で炒め、熱湯を注ぎ、トマト、ニンニク、サフラン、ハーブを加えて、中に入れた小魚の形が無くなるまで煮込む。このスープにパンとライユ(赤唐辛子、ニンンク、サフランを混ぜたソース)、アイオリ(おフランスのマヨネーズ)を載せてスープに浸して食べる。
メインはこのスープに別に煮込んだ蟹やムール貝などの魚介類、高級なものはイセエビを加えて食べる。ワインはロゼがお薦めなそうです。

食後は丘の上のノートルダム寺院、そこから16世紀に建てられ、監獄としても使われたデュマの小説、「モンテクリスト伯(岩窟王)」の舞台となったイフ島が見られた。「モンテクリスト伯」を読んだのは岩手医大に入院したときだった。もう一度読み返してみたい気がするが、あの昔憶えた興奮は起きるであろうか。
 
中世都市、オンフルールの港
 
これが本場のブイヤーベース
 
(4・27 八柳)

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