e−たわごと No.102

投稿日 2004/06/17  ホンモノは素晴らしい(3)
寄稿者 松風緑子

伊達娘恋緋鹿子-火の見櫓の段-  最高のカラクリ
 
舞台にポツンと置かれた火の見やぐら。娘お七が恋に狂って放火、このやぐらの梯子を足をすべらし落ちそうになりながら登って行って鐘を打つ。

この有名な場面は歌舞伎で良く取り上げられるが、歌舞伎では人間の大きさに合わせてある梯子。文楽では人形の大きさに合わせ小さく作られている。1つの人形を3人の男が後から操っている。どうやってこの小さい梯子を登るのか?
解説書を見ると、人形遣いの姿が見えなくなり、人形一人で登って行くように見える、と。エー!どうなるの?

前から8列目だったので目をこらして見ていると、梯子の下に来た途端、主遣い(頭と右手を操っている人)がサッと腰をかがめてやぐらの向側(後)に廻った。その時人形の頭と右手 誰が持った? 左手遣いが自分の持ち場離れて持った?誰も持たないと頭はガクッと倒れる? これ未だに解らない。
梯子を良く見ると両脇、やぐらとの間に少しスキ間が見えた。
後に廻ってやぐらの中に入った主遣いが、スキ間から頭と手の仕掛け 持ったな と思う間、数秒だった。ふと見ると左手遣いの黒衣がいない。後に廻って、やぐらの中に入ったらしい。最後に足遣いの黒衣もいない。
順番に人形遣いがやぐらの中に入っている間、人形の動きは止まらない。髪ふり乱し、首を右に左に振りながら、右手、左手交互に梯子につかまりながら登っていく。
あのせまい櫓の中で3人の人形遣いが人形に合わせて段を登っているのか? 鐘までかなりの高さ。

普通、人形の後にいて操っているのに、この場面では人形の前から操っている事になる。しかも人形との間に梯子と幕があるから、すき間から仕掛け握って操っても、人形の顔見えない。
人間3人、入るだけでもせまいのに、中はどうなってる??

客席から見た人形は本当に1人で登っているように見える。
こういう仕掛けがあるんだー! 歌舞伎より大変だー!
と、つくづく感じました。
 
 
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