e−たわごと No.118

投稿日 2004/11/26  働く少年
寄稿者 八柳修之


 
11月も秋分を過ぎると、さすがここ湘南も木々の葉が色づき、落ち葉が舞う季節となった。いつもウォーキングしている散歩道で、垣根越しに中学生くらいの少年が庭の落ち葉を掃いている姿を見た。いまどき見かけない珍しい光景である。
最近、年をとったせいなのか、こんな光景に感動してしまう。(小泉さんのように、あまり感動という言葉を使いたくないのだが)
また、古い話しになるのだが、(これも老人症候群)、私達の子供の頃は、よく家事の手伝いをしたものだった。

この季節では、近くの雑木林に杉の葉を拾いに行った。お風呂の焚き口にするためである。薪割りもした。薪割りでは斧の使い方や樹木の性質を知った。
「木もと竹うら」、木は根本から、竹は先の方から割るとよく割れる。ことわざを身をもって知る。桜の木は割りにくいし竹はよく燃えた。
かまどでご飯を炊いていたから、「初めとろとろ、中ぱっぱ、親が死んでもふたとるな」、ご飯の炊き方を知った。(注:場所によっては、赤子泣いてもという所もある)
住んでいた家が街外れにあったので、学校帰りに遠回りしてお使いもした。
「100円デェ クダサイ」(100円で買えだけの量をくださいの意)
「お使いデ アンスカ、エレゴト」(と言われたかどうかは分からないが)
このような体験で、大人との会話、社会生活や経済概念も自然と身についたものである。

どこの家でも子供たちは、こうした家事の手伝いはそれぞれの役目があって、当たり前のことのようにやっていた。もちろん、遊びたい盛りなので嫌な仕事ではあったが、「よくやったね」と親から褒められるのが嬉しかった。
家族の一体感は家族みんなの共同作業によって生まれるものである。

物がなく不便な時代のことは、物が豊かで便利な現在には間尺が合わないし、これ以上は言わない。家事も少なくなり楽になった。でも、何にか大切なものを失ったような気もする。
「で〜、あなたは今、なにか家事をしていますか?」
「リタイアしてからマンション暮らし、あまり家事はありませんが、毎日、ゴミ出し、新聞・郵便とり、三度三度の食器洗い、お掃除(クイクルだから簡単)、お買い物のポーターやっていますよ」
「料理はしないの?」
「お料理教室に通いましたが、ほとんどやりません。料理は創造、女房から奪って、先に呆けられては困りますから」
(11・26 八柳)

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