e−たわごと No.127

投稿日 2005/02/18  少年の夢の実現
寄稿者 八柳修之


 
鎌倉鶴岡八幡宮への道、鎌倉駅から行きは若宮大路、帰りは小町通りの商店街を通るのが定番である。だが、ときには、ちょっと横道に入ってみると思わぬ発見がある。若宮大路、うなぎの茅木屋と鳩サブレの豊島屋との間の路地を入ると、KK堂というブックカフェーがあった。間口2間、奥行き3〜4間ほどの広さで、映画関係の古書、ポスターの販売、喫茶のほか軽食もできるお店がある。附六会の細越さんにご紹介したいところであるが、残念ながら洋画ではなく邦画関係しかない。
このお店、元々映画好きであったご主人の趣味が高じて、会社を早期退職し一昨年暮れ、お店を始めたものであるという。

ところで、細越さんの「わが青春の盛岡国劇追想録」、自分の青春時代とも重ね合わせて楽しみに読んでいる。それにしても映画少年が、その夢を実現し映画評論家にまでなったことは素晴らしいことである。子供の頃、将来、何になりたいかと聞かれたことはあるが、その夢を実現した人は少ない。細越さんの素晴らしさは、その文章に見られる映画への入れ込みのみならず、俳優の似顔絵である。もちろん、才能があってのことではあるが、映画とその俳優に対する思い入れがなければ、なかなか描けないことである。

俳優の似顔絵、映画は観なくとも一週間に一度はわざわざ遠回りして、国劇の大看板を見に行ったものである。その看板は本町の小川郁司君の父上が描いていた。小川君も宣伝美術家として名を成し、現在母校の大学の講師をしている。

椅子に座って、コーヒーを注文し、古書を30分ほど立ち読みならぬ座り読みした。古書の中には伊藤紀夫君が喜ぶような手塚治虫の初期の漫画や小松崎茂の挿画集があった。伊藤君にプレゼントしようかと思ったが、あまりにも高価なのでやめた。その伊藤君は漫画が上手な漫画少年であったが、工学部を出てコンピューター関係の道を歩んだ。Iwayamaの創設者である。
「よーいとうくんがんがんくうといーよ」(回文)
(2・18 八柳)

TOPページへ


iwayama3 since2002.11
Presented by Ayako Taguchi