e−たわごと No.159

投稿日 2005/12/02  色 いろ イロ
寄稿者 八柳修之

遠路、袰岩さんがやって来たので6人ほど藤沢に集まって、福田さん馴染みのお店でいろいろ色談義をした。と言っても、色違いの話し。附属は知的集団である。
話は袰岩さんが、前日受講した色彩講座の話から始まった。講師が「今、自分が置かれている状況、奥さんや子供を色で表してみなさい」と言ったという。
そんなこといわれてもと思いつつも、考えた末、自分は「緑」だと答えたそうだ。グリーンといっても幅がある。松葉色、鶯色、若竹色など古来の表現の色のほか、袰岩さんは「国防色」「カーキ色」なんて死語、こんな色の言い方を知っているのは我々世代が最後であろうと一同笑った。
「では、オメハン達は何色?」そう言われて、皆、自分は何色なのかと考え込んでしまった。

色と人間の心は関係しているようだ。幼い子供に絵を描かせて、どんな色使いをするかで、その子供の健康状態や家庭環境が分かるという。例えば紫色を使っている子供は健康状態が優れないとか。心理学で習った「色彩心理学」である。だが、長じると江戸紫や京紫を好むご婦人には教養の高さ、あるいは艶っぽささえ感じる。

現在では商品開発には性能、デザインとともに、色が重視される時代、色は購買意欲の向上に重要な要素となっている。
そこで、どんな色が好まれるか。国によって、好みの色に差があるというのが、千々岩(ちぢいわ)武蔵野美大教授の話しである。千々岩が平成7年から1年かけて世界20カ国の美学生5,500人を対象に調査した結果の一端を紹介しよう。
詳しくは、「世界の色彩感情事典」を見るとよい、どこの図書館にも置いてある。

「最も好きな色は」という問いでは、青がトップ、続いて赤、黒・・・と、原色を好む点では世界に共通していた。しかし、国別にみると多少の差が見られる。中国、ラオス、バングラディシュでは白を最も好み、欧米、オセアニアでは白を上位に挙げていない。ロシア、フインランド、オランダ、ポルトガル、シンガポールは黒を好む。
日本(東、関東以北と関西では微妙な差がある)は青、赤、緑の順で、アメリカやイタリア、オーストラリアとの共通性が見られる。(アメリカやイタリアと同じと見られているが、調査対象が学生であり、日本はこれらの国のファッションなどの影響が強いからであると、私は思う)

「優雅さを表す色は」世界的には黒、白の回答が多い。黒白つけられないということか。しかし、日本、アジアでは紫系のビンクを挙げているという。
化粧品のパッケージには高級感を出すために日本では紫、欧米では黒を使うところが多いという。

「幸福を感じる色は」日本やアジアはピンク、欧米は黄色を挙げる。「家庭は」という問いには、日本やアジアはピンク、他の国は青が選ばれる。
このことから千々岩は、アジアは家庭や幸福は母性的なもの、欧米は父性的なものを求めていると結論づけているのが、言い過ぎではなかろうか。
昔はピンクと言わず桃色といったが、桃色事件とか桃色遊戯は死語。だが表現方法は変わったが本質は変わっていない。

ところで、前の話しに戻って、あなたは何色ですか。
私は気が合う仲間と談笑したので、今日はオレンジ色だと思った。
明日は何色、お互いにバラ色の人生にしたいものだ。(12・2)

写真: 国・地域別に見た「好きな色」 千々岩秀彰「世界の色彩感情事典」
 
国・地域別に見た「好きな色」 千々岩秀彰「世界の色彩感情事典」 より

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