e−たわごと No.264

投稿日 2006/06/20  日本百名山(30)
寄稿者 竹生健二

穂高岳 3,190m (1999年)
 
甲斐駒ケ岳に続いて、Mさんを穂高へ連れて行くことにした。お盆休みを利用して、8月14日の土曜日に出かけることに決めた。その日は生憎の雨だったが3:15に起床して、Mさんが住んでいる都内のマンションへ迎えに行った。4時だ。近くの公衆電話からMさんへ電話をすると、呼び出しているがつながらない。どうしたのかと玄関へ廻ると、何ともう上着から靴まですっかり登山の準備をして、傘を差して雨の中を待っていてくれる。すぐ中央高速道路に入り、境川のサービスエリアへ。I君がF嬢と一緒にOさんを都内で拾って追いかけてくるが、お盆の帰省客の渋滞にはまって、私よりも1時間半も遅く到着。ここから松本までは一向に雨は止まない。国道138号で新島々経由沢渡へ。9:40着。ここに車を置いて朝食、登山の準備。11:10にタクシーに乗り上高地へ。仙丈岳での雨に懲りて、最先端技術で作ったという雨具を買ってあったので、これを着て12:13に登山開始。だいぶ遅くなったので涸沢まで行く時間がないので、今日は岳沢のヒュッテ泊まりとする。河童橋を渡って岳沢を登る。標準時間を30分超過して、15:10に岳沢ヒュッテ着。雨の中、テント場にテントを二つ張り、夕食の準備。この雨で沢の水嵩が増え、炊事場へ行くのに沢を渡るところが限られている。二人用テントにMさんと私が、三人用にOさん、I君、F嬢が横になる。22時頃になって三人テントが雨漏りしだしたので、F嬢が二人用テントに移ってくる。雨がテントに打ち付ける音を聞いているうちに、疲れからいつの間にか眠る。
15日、5時に起床。テントをたたみ朝食。雨は止んでいたが上空のガスが次第に降りてきて、そのうち小雨になる。沢の水はすっかり涸れてしまっている。ヒュッテのラジオ放送では、天気の回復は遅れている由。荷物をここにおいて、前穂を省略して奥穂だけでも往復して戻ってこようとも思ったが、何せここからの重太郎新道の急坂を思うとひるんでしまう。雨の中の登山は仙丈岳で経験済みだ。Oさんは行こうという。意見が分かれたが、私のような半素人がいては慎重に構えたほうがよいとのMさんの意見で、やむなく下山を決意する。8:30に下山開始。上高地10:45着。沢渡までタクシーで戻り、着替えて12時に出発。辰野に着くと何と太陽が出てくる。多分山はまだ雨だろう。辰野で昼食。永田の湯に漬かってから帰途に着く。
車中でラジオ放送を聞いていると、昨日は各地で局地的豪雨があり、奥相模の道志川では中洲にテントを張っていた数人が増水した川に流されて行方不明だと。あの時思い切って下山して間違いなかった。無理をしていたら、何かが起こったかも知れない。

後日Mさんから「F嬢がこちらの二人用テントに移ってきたときは、もう体を動かす余地もなかったが、丁度自分の背中の下に小石があって、痛くて仕方がなかった」と述懐した。Mさんとはそうした心根の優しい人である。
 

岳沢の朝 下山前
 

岳沢テント場
 

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