e−たわごと No.278

投稿日 2006/07/05  インフレ退治とその後(2)
寄稿者 八柳修之

インフレが収まってくると、これまで給料日に1か月分の必需品をまとめ買いしていた人々は、分割払いやクレジット払いもできるようになったことで、こぞって買い物に走った。とくに電化製品や自動車などの買い物が急増した。
これまでインフレに慣れていた庶民は、実質給与が増加したものと錯覚をおこし、爆発的に消費が拡大した。
一方、給与がドル建てとなっている海外駐在員は、ペソ高、レアル高によって給与が実質40%も目減りしてしまったという。
ハイパーインフレが収まると、これまでになかったようなことが起こる。
 
○お菓子屋さんが儲かる
日本でも消費税が導入された当時、一円玉が不足したことがあったが、ブラジルでも新通貨レアルが発行されてから深刻な釣銭不足が続いたという。
釣銭不足の恩恵を受けたのがお菓子業界である。飴玉を釣銭代わりにするお店が続出。レアル貨発行後3か月の間、お菓子類の売上が30%も増加したという。

 
○自動販売機の出現
「日本にあって、アルゼンチン、ブラジルにないものなぁーに」
「自動販売機」
1996年3月、ブエノスアイレスへ行った息子の話しによれば、コカコーラの自動販売機がアルゼンチン史上初めてお目見えしたという。ただ、泥棒が多いので設置場所は路上ではなくモールの中とのことである。
 
 
○ペソ成金
アルゼンチンの1ペソル=1ドルは過大評価である。アルゼンチンのインフレ率が下がったといっても、アメリカよりは高い。にもかかわらず交換レートは変わらないから、実際のペソの購買力は高まる。
そのために起きた現象、隣国ウルグアイへの買い物ツアーである。ウルグアイはラプラタ河を挟んだ対岸、狭いところは40kmあまり、フェリーが頻繁に往来している。飛行機に乗れば20分程度である。ペソ高のお陰で、1992年、ウルグアイのアルゼンチンからの入国者は推定120万人、因みにウルグアイの総人口は300万人である。
 
○銀行の経営悪化
ブラジルではインフレの収束とともに銀行の経営が悪化した。ブラジル最大のブラジル銀行が1995年に史上最大の42億ドルの損失を計上した。ブラジルの銀行はインフレ経済のもと、高金利で資金を運用して高金利で資金を運用して高い利益を得ていた。ところが、インフレが収束すると、インフレ益がなくなり、逆に人件費負担が重くのしかかり収益構造が悪化したからである。
果たして銀行員の首が切れるか・・・どうやら、どこかの国で聞いたような話だ。
(完)

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