e−たわごと No.300

投稿日 2006/08/11  日本百名山(41)
寄稿者 竹生健二

蔵王山 1,841m / 安達太良山 1,700m (2004年)
 
2004年は家の改築があり登山の開始が遅れたが、秋でも登れる山はある。その中に昨年断念した安達太良山がある。今回はついでに蔵王にも登ることにした。いずれもリフトや車でかなりの標高まで登ってしまうので、家内と一緒でも問題なさそうだった。
6月末には合弁会社の顧問を退任したので、家内との二人旅では平日で問題なくなった。そこで天気の様子を見た上で、10月28日の木曜日に出発した。4:30に起床すると、真上に北斗七星。5:05に家内と車で出る。6:30に東北自動車道の佐野のサービスエリアで朝食。快晴で気持ちがいい。予報では今朝は今年の秋に入って一番の冷え込みになる (先日の長岡大地震で被災してテントで暮らしている人に、寒さ対策を呼びかけていた) と。このまま蔵王へ行くと、多分高地では路面凍結で通行止めの心配があるので、先ずは安達太良へ向かう。6:55に佐野を出ると「白河と矢吹の間は事故のため通行止」との表示。「仕方ない、白河から矢吹までは4号線を行けばよい。多分一時間くらいは余分に掛かるだろう」と判断。ところが白河の4 km手前で既に渋滞し、完全に のろのろ になった。しかしもうどうにもならない。やっと4 kmを移動して白河の出口に着き、本線からの分岐に入ったところで、作業員が他の作業員に「10:50予告、10:55開通」と伝言したのが聞こえる。あと5分待てばよい。とっさの判断で車を後退させ、何とか本線に入る体勢とする。ぎりぎり助かった。10:55に先導車に着いて一車線で走行。しばらくして事故現場を過ぎると二車線が開放される。三時間の浪費をどうするか。これから岳温泉経由安達太良に向っても、多分ゴンドラを使って薬師岳まで登れたにしても、下山時間が気になる。快晴で気温も上がってきたので、蔵王は苅田峠まで路面凍結の心配なく車で登れるだろうと判断して、二本松を通過して白石へ。しかも車中から見ると安達太良山頂は今日は少し雲が掛かっている。白石着12:25。高速道路を降りてエコーラインの表示に向って進むと、「XXXは路面凍結のため通行止め」との表示。読んでいる暇もなく通り過ぎて苅田峠へ向う。前方にうっすらと雪化粧した蔵王の峰。林の中を進む車の中からは快晴の日の光に映えた紅葉が美しい。しかしゆっくり鑑賞している暇まもなく、カーブを繰り返しながらどんどん車は山道を登る。苅田峠の有料道路入口では誘導員が「路面凍結による通行止めが12時にやっと解除になったが、レストランと便所は使用できない」と言う。もしも三時間の遅れがなく、そのままここへ来ていたら、路面凍結で大駐車場までは登れなかったことになる。何が幸いするかわからない。標高1,670 mの大駐車場に13:25に着く。数台の一般車と観光バスしかいない。すぐに登山の装備をして13:30に出発。レンガを敷き詰めた展望台までの歩道は凍った雪が溶け出してビショビショ。展望台には数人の人が居り、そこから苅田岳まで歩いていく人もいるが、熊野岳方面は真っ白な雪で誰も向かう人がいない。地表は5 cmくらいの厚さのサクサクした雪。こちらから山頂へ向っている足跡はないが、こちらに向って来る靴跡が一組ある。多分地蔵から歩いてきた人か。いつ降った雪か分からないが、西から吹付けたらしく、柱の西側に雪がくっ付いている。そのうちこちらに向かっていた足跡がいつの間にか消えている。山頂に近い広々とした空間に、自分達しかいないことに何か恐怖のようなものを覚える。家内は自分のペースでゆっくり登るので、私だけ先に山頂までの所用時間を計るために急ぎ足で登る。振り返ると家内が白い雪原の中に小さく黒い点として認められる。標高1,841mの熊野岳山頂に14:05着。熊野神社も山頂の標識も、特に西を向いた齋藤茂吉の歌碑も、西から吹き付けた風で西側に雪がくっ付いている。雲ひとつない快晴。遠くは霞んで、月山、朝日、飯豊、吾妻がどれかも良くわからない。雪の中で遅い昼食。なにしろ高速道を出てから休憩する暇もなくここまで来た。そのうち手がかじかんで登山記録が書けなくなる。14:45に下山開始。家内と一緒にゆっくり降りる。15:25に駐車場着。15:40に出て蔵王温泉の国民宿舎に16:30着。17:45の夕食前に温泉に浸かる。ビールが効いて横になると、ニュースでは先日の長岡大地震で車ごと土石流に埋まった家族の救出作業がまだ続いている様子を流している。
翌29日はゆっくり起床。今日も雲ひとつない快晴。宿の窓から見える紅葉が美しい。朝風呂のあと7:45に朝食。出発しようとしていると、練馬から来たという同宿の年配の紳士が「この先に『鴫 (しぎ) の谷地沼 (やちぬま) 』という景色のいいところがあるので、寄って行きなさい」と教えてくれる。8:30に出で、谷地沼に寄ってから西蔵王高原ラインを通って山形道蔵王インターチェンジへ。村田で東北道に入り、二本松で高速道路を降りて安達太良スキー場に10:50着。すぐに登山の準備をしてゴンドラ駅へ。昨年は強風で運休していたが、今日は大丈夫。11:08に乗って薬師岳駅へ。昨年はここから引き返した。11:16に登山開始。すっかり晴れ渡っている。最初は低い潅木の林の中を木道の上を歩く。しばらくして潅木が途切れると、さっき降りたゴンドラの薬師岳駅が見える。今日は時間の余裕があるので、写真を撮りながらゆっくり登る。さらに行くと大きな岩が見えて来てそこが山頂。この大きな岩の下に12:45着。荷物を置いて家内を支えて岩の上に出る。遠くに蔵王、近くに吾妻、磐梯が見える。陽は差しているがじっとしていると寒い。昼食。13:40に下山開始。14:40に薬師岳着。ここからゴンドラで降りる。富士急ホテルの温泉に入って疲れを取る。風呂から上がり16:20に駐車場発。上河内に17:50に着いて夕食。18:55に出て我が家着21:10。
この二山で日本百名山は37座目と38座目となった。
 

蔵王山頂
 

安達太良山頂
 

蔵王山頂
 

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