e−たわごと No.310

投稿日 2006/08/11  亜国見聞録―5 誇りが高い(Orugulloso)
寄稿者 八柳修之

スペインにはこんな寓話がある。
「神様が人間を作ったとき、遙か遠くの島の洞窟の中に、悪、苦しみ、悲しみを閉じ込め鍵をかけ、その鍵を男に渡した。男が扉を開けないかぎり、悪は外に出ることはないと仰せられた。男女は幸福に暮らしていたが、あるとき女は男を騙して鍵を盗み扉を開けてしまった。悪はたちまち世界中に飛び散った。
悪の親玉、傲慢はスペインに行った。傲慢の子分のうぬぼれ、他人への侮りも親分に従ってスペインに住み着いた。フランスには強欲、イタリアには欺瞞、大食いはドイツへ、無節操はイギリスへ、単純はポーランド、野蛮はトルコへ、抜け目なさはロシア、残酷はスウェーデン、快楽はペルシャ、臆病は中国、そして日本には向こう見ずが散った。淫乱は一国に収まらず世界の隅々まで行った」

この作者は17世紀、スペイン人の神父で文人である聞いたが、その名前と書名も聞いたが、残念ながらストリーしか覚えていない。この寓話を教えてくれたT銀のKさんはもう星になってしまった。

スペイン人は、自ら「傲慢」である。言葉を変えると、少しソフトに言うと、誇りが高い、自尊心が高い、尊大であることを自ら認めている。
従って、スペインとイタリアからの移民が多いアルゼンチン人は、誇りが高く、欺瞞に満ちているということになろうか。

追記:
たわごと293「汚い言葉の底」で、W杯でジダンが「売春婦の子」と言われ、突然、イタリアの選手を頭突きして倒したことについて、その理由について、下流社会に見られる母親中心家族社会にあるのではないかと書いた。
元勤務先の同輩(附属出身)で、パリ勤務が長くフランスの事情に詳しいKさんから、次のような話を聞いた。「子供の間では喧嘩したときなど「お前の母さん、売春婦!」とよく使われるが、「お前の母さん、出べそ!」というくらいの極く一般的に使われている言葉である。事実、自分の子供もこのような言葉を最初に知った。酷い言葉ではあるが、フランス人のジダンが腹を立てるほどではないように思う。なぜ、ジダンが怒ったかはもっと別な理由があるのではないか」と。
(8・11 八柳)

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