e−たわごと No.317

投稿日 2006/10/13  亜国見聞録―10 物乞いの分類
寄稿者 八柳修之

南米には物乞いが多い。経済状況の影響もあるが、恵む人も多いからである。
通りすがりの人に金銭を乞たり、物乞いはしていないが徘徊している人(バカブンド)、なにがしかの物を売っているが明らかに金銭を乞うている者、様々だ。
こちらの物乞いは背広姿にネクタイをしている者もいるから、外見だけでは判断できない。乞食を3日やったら止められないというが、そのとおりだ。
私がブエノスアイレスへ二度目の駐在をしたとき、3年前、ブエノスアイレスの銀座通りでともいうべきフロリダ街で背広姿で物乞いをしていた男を再び見かけたときには驚いた。そしてその男は、さらに私が2年後に帰国するまで物乞いをやっていたのである。
さて、通りすがりで見かける物乞いは大別次のように分類される。

1. 教会の前で喜捨を乞う者
教会はミサ、結婚式、葬式、洗礼などの行事が多く人が集まるところであり、それなりの稼ぎにはなるようだ。圧倒的に老婆、身体の悪い人が多く、だまって手を差し伸べている。場所が場所だけについ恵んでやろうという気にもなる。

2.乳飲み子を抱えた女、子供連れ
乳飲み子を抱えた女には、ついつい同情の念にかられてしまう。稼ぎはよい。
ただし、その赤ん坊や子供が本当に自分の子か、借りてきた子かは分からない。
こういう女はよく大衆的なレストランによく入って来るが、すぐ給仕に追い出されてしまう。同情はするが場所柄をわきまえろということだ。

3.歩道に箱や表示だけ出した者
これは物乞いとしては怠慢、横着なくちである。箱の傍らに「7人の子持ち、失業中、お助けください」というようなことを紙にかいて置いてあり、勝手にお金を入れてくださいというものだ。物乞い本人がいないときが多い。本人がいるならまだしも、同情に値しない。

4.なにがしか売るポーズをしている者
このタイプは比較的多い。ホントの物売りとは明らかに区別はつく。僅かばかりのチューインガムとか、ビスケットなどの小物を手にして買ってくれとせがむ。これは3に比べれば許せるが、お金を払っても手垢のついたチューインガムなど誰も受取りはしない。

物乞いの共通点、ほとんどの物乞いは「グラシャス(有難う)」とは言わない。
教会の前にいる者はときどき「ディオス・セ・ロ・パーゲ(神様が報いてくれます)」という者もいる。
撃退する言葉は「アスタ・マニャーナ(また、明日)」、便利な言葉だ。
気の毒に思えば少しばかり恵んでやりよい気持になれば幸せというものだ。
 
ブエノスアイレス近郊にあるルハンの大聖堂

TOPページへ


iwayama3 since2002.11
Presented by Ayako Taguchi