e−たわごと No.319

投稿日 2006/11/03  亜国見聞録―11(続) 時 感
寄稿者 八柳修之

「亜国見聞録11」で、アルゼンチン人の時間についての感覚を書いたところ、海外駐在が長い博識の人から、こんな話を聞いた。
「人間(民族)は、P時間タイプとM時間タイプがあるという学者先生がいる。
先生によるとP時間タイプとは人間関係をスケジュールに優先するタイプ。
M時間タイプとはスケジュールを人間関係に優先するタイプであるという。
さしずめアルゼンチン人などラテン系、アラブ系はPタイム、Mタイプは英語圏、ドイツ人、日本人」であるという。

興味があったので、後日、調べてみた。「時間の観念はそれぞれの文化固有のものとされる」と、唱えたのはエドワード・ホール(
Edward Hall)という文化人類学者である。難しい話は別として、簡単にいうと。

P時間タイプとは
Polychrome Time 多元(多彩)的時間、このタイプは、
(1) 二つ以上のことを平行して行なう。
(2) スケジュールよりも相手との関係を優先する。
(3) 予約はアバウトなもので、大切な相手に時間を与えることの方を優先する。
(4) 相手との関係がもたらす結果に従うのを好む。

M時間タイプとは
Monochrome Time 単一(白黒)的時間、このタイプは
(1) 一度にひとつだけのことに集中する。
(2) 相手との関係よりもスケジュールを優先する。
(3) 予約は厳密に守る。あらかじめスケジュールを入れ、遅れずに行なう。
(4) 物事が計画通りに進むことを好む。

さて、あなたはカラー写真でしょうか。それと白黒写真でしょうか。
Pタイプの体験談です。

その1
アルゼンチンでは女房の買い物によく付き合わされた。一つは言葉の問題もあったが、もう一つはこの国ではちょっとした買い物は旦那の財布から払う習慣があるからだ。(私のように給料を全部、女房に渡し、小遣をもらうようなことはない)
洋服、靴、鞄などの買い物は、どういう型をして、どんな色をして、サイズがどうの、こうのと言って頼まなければならない。気に入らず、もっとほかの物をと言うと、一旦品物を持ち帰り、ほかの品物を持ってくる。こんなテンポであるから時間がかかる。 それがショッピングの楽しみかもしれないが・・
そんなとき、店員の友達でも来ると、ハグしてベシートしてぺちゃくちゃおしべリを始める。「おいおいお客をほったらかしにしてなんだ」と日本人なら怒るのだが、こちらの人は特段気にする様子もなく、まして怒ったりしない。
自分もこんな場合、同じことをしているからである。お客さんよりも自分の友達との話が大切なのである。(もっともユダヤ系のお店ではこんなことはないが)

その2
時間を決めてアポイントをとっても、30分、1時間は平気で待たされることを覚悟しなければならない。
とくに官庁は酷い。前のお客との話が長引き押せ押せになるからである。その一因は、なんだかんだツテを求めて陳情にやって来る人が多いからだ。
アポをとる場合、一応、何時からなん分までとか決めるのだが、それはあくまでも予定である。予定の時間内に話しを終わらせようなどとは考えていない。次に予定がありますから、と促すようなこともない。
それに役所は途中重要な用事が入ったとから言って、さらに待たせられることが多い。面談時間を決めるなら朝一番が一番よい。
役所の場合は秘書にちょっとした贈り物をして鼻薬を効かせておくとよい。
一番喜ばれるのは日本のカレンダーである。こんな作戦をどこの商社もやるから、秘書にはカレンダーが一杯集まるのだが、そこはそれ、後日、路上で高い値段で売られている。

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