e−たわごと No.323

投稿日 2006/11/14  楓の木の下で −私のカナダ考― (4)
寄稿者 吉田一彦

 ナイヤガラの虹

 カナダは、ロシヤに次いで世界第二位の広大な国である。
1995年9月16日ビクトリアのはるか東に位置するナイヤガラに安岡直樹(=私)は立っていました。

「 ナイヤガラの滝壷を見て、『霧の乙女号』を降りて直樹が振り向くとカナダ滝の上に綺麗な虹が出ていた。
 まるでM市で昔少女の頃の真由美(=デビル)が放った青白い蛍火のようだと直樹は思った。」

 その夜は、バッファローに一泊した。観光客で一杯だったので、予約しているホテルは、うらぶれた粗末な安宿であった。
 
「真由美が昨晩泊まったニューヨークの定宿のホテルは、きっとこんなホテルだったのでは、直樹はなんとなくそんな気がした。」
 
 宮古の例のデビルがアメリカのワシントンでうらぶれた観光案内のガイドをやっていて、私は彼女とアーリントン墓地で偶然会ったのです。
 ニューヨークのマンハッタンのレストランでの二人のやり取り・・・・

「そうだ。真由美さん日本に帰りませんか?・・・・このままアメリカにいてもどうしようもないでしょう」
「いいえ、私は日本には帰りません。田舎の父も母も死んで今は誰もいませんし、日本に帰ってもいまさらどうしようもありませんから」
 そういって真由美は寂しそうに笑った。
            (私の小説『ディープキス』より)
 ああ、またまたIWAYAMAに絢子さんのもみじの写真が・・・とても素敵です―――
 先ほどまで公園のトーテムポールの説明板を読んでいた赤いアノラックの女性が今度は楓の木の前で足を止めました。
 楓の燃えるような赤がとても綺麗だったから・・
 やがて女性は、去っていきました。
  
  私も移り気では決してないけど、今度は、ピンク色に輝いた紅葉の下に行ってみましょう。
 
 ああ綺麗! 私の上に一枚二枚落ち葉が舞ってきます。
 私の耳に差し込んだレシーバーからは、オスカーピーターソンの「
Autumn Leaves」が流れてきます。
 ああ! ステファン・グラッペリのヴァイオリンの音がやけに心にしみます。
 
 今年の紅葉の季節ももうすぐ終わりです。
(完)

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