e−たわごと No.327

投稿日 2006/11/26  (続)言葉 ことば
寄稿者 吉田一彦

 私は、体験のために一度大阪の一泊千円の寮に泊まったことがありますが、塚本の国鉄の驛の線路のそばにあって、始発の電車が通ると地震のようなものすごい揺れと地鳴りがして私も目が覚め吃驚して飛び上がりました。
「これではあきません」収入を増やさなければならない立場にある私でも二度と泊まる気がしませんでした。

 この寮は、運営が財団法人の方式になっていて、この理事には鳥取県出身で大阪で大企業などの社長になっている方が任命されており、理事会の時には部長と私が大阪まで出かけ、会議が終わると北の梅田や曽根崎界隈の料亭で懇親会をやったんですが、これが実に楽しいんです。
芸者さんが来て、男性のプロのような人が河内音頭を歌って(中村美津子の河内音頭と違って、渋くて実に味がある・・・)これが始まると私は、いつも鉢巻をして踊りだしたくなるんです。
 
(他に私がこんな場面で、鉢巻を締めて踊りだしたくなるのは、全国でも、「やーとせ」の秋田音頭、「ラッセラ」の青森のねぶた、「踊るあほー」の徳島の阿波踊りぐらいかな・・・)

すみません。 つい調子に乗って話が大分横道にそれました。
 
 さて、朝早く起きて米子驛から30分電車に乗ると松江そして宍道湖、ここでは私の叔父さん達が昔手塩にかけて養殖した蜆が有名です。
青森の十三湖の蜆もいいけど、ここの蜆が全国でも一番値段が高いんじゃあないかなあ・・・
マスコミによると、全国で、一人当たり一番沢山お豆腐を食べているのは京都ではなくて盛岡だそうですが・・・・
盛岡のみなさん、もう寒くなったでしょうから明日の晩あたり、熱燗で、蜆をベースにした湯豆腐としゃれてはいかがですか?

 それから出雲大社。
長野の善光寺や東京の深大寺といった蕎麦の集積地もあるけど、ここの門前の割り子の蕎麦(出雲蕎麦)の水準は、相当に高いんじぁあないかな。そして少し足を伸ばせば、日御崎・・
私の下の娘は、鳥取で生まれて、お宮参りはこの出雲大社でやりました。ここは縁結びの神様。あまり手回しがよすぎたのか、縁が?

 それに不思議ですね。岩手からはずっと遠く離れているけれど・・東北を離れるとずっと言葉も標準語で(?)米子を過ぎて島根県の安来(やすぎ)にはいると、とたんにあの懐かしいズーズー弁になって−――まるで東北に来たようです。本当に不思議ですね。
  
 出雲大社に神無月に全国から集まるといわれる神々の中で、まさかわが岩手からいらっしゃった神様が一番ハッスルし張り切って、ズーズー弁をこの地に普及させたんじゃないでしょうね?

 私を一番理解してくれた米子のMさんは?

―――去年から年賀状を出してもばったりと返事が戻ってこなくなった米子のMサン、もう85歳になりますね。
私が心配になって米子の友人に電話してあなたのことをこっそり調べてもらったら、こないだ米子高島屋の前でばったり会ったそうだけど、あなたは昔部下だった友人の顔も覚えていなかったとか――
少年の頃、旧制米子中学のサッカーの選手で、私と鳥取であったときには、行政のNO2で、律儀で、バリバリ仕事をしていたあなた。
退官後、いつだったかな、私は、あの美しい奥様の存命中に妻や子供達と米子の福原のお宅へ東京からお邪魔しましたね。あの日は私も久しぶりに楽しかったなあ・・・

あなたは、心変わりしたのではなく、ただ、皆と同じように年をとって、皆と同じように老いて、言葉を失ってしまっただけですよね――
(完)
 (注) おごぉご=おしんこう かまけえす=身上をつぶす
     おしぉおすう=恥ずかしい めっつる=涙
     はなつる=鼻水

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