e−たわごと No.353

投稿日 2007/01/23  日本百名山(53)
寄稿者 竹生健二

鳥海山 2,236m (2006年)
 
成田から大圏ルートでヨーロッパへ向かうと、新潟の上空から日本海に入る。そのとき右の窓から見えるのが月山で、視界が利けばはるか鳥海山まで見えることがある。特に鳥海山は独立峰であり、海岸からそそり立っているので、ひときわ目立つ山だ。そういう訳で、鳥海山に登るのは長年の念願だった。四阿山から帰ってからしばらくして、Hさん夫妻にそろそろ秋の登山の計画を提出してお互いの日程を調整しようと思った。そこで鳥海山を提案した。月山も一緒に登るとすれば三連休とする必要があり、その場合、私は勤務の関係から10月の末になるとも書き添えた。するとすぐ返事があって、8月の20日から22日までの三連休ならお互いに好都合の筈だし、幸い天気もよさそうだと。それならこちらも望むところだ。家内も同意してくれたので、すぐ宿の手配をHさんにお願いした。
8月20日は日曜日だ。朝から晴れ。7:10に家内と出発。越谷のHさん宅8:30着。すぐに荷物を積んで9:20発。岩槻から東北自動車道。12:50に国見に着き、ここで昼食。国見を14:00に出て酒田で高速道を降り、鳥海高原ラインの上り口の国民宿舎・鳥海山荘に着く。早速温泉に入ると、まだ西の空は明るい。

翌21日は私の69歳の誕生日だ。5:30に起床。朝食と昼食のおにぎりを受け取って6時に出発。鳥海高原ラインを登って標高1,200mの駐車場に6:25着。6:45から登山開始。7:05に滝の小屋。7:30に麓から登ってくる道との合流点。白糸の滝の下流は雪渓が解けてトンネル状になって、その下から水が音を立てて流れている。八丁坂の途中、7:50〜8:00に朝食休憩とするが、おにぎりがまったく口に入らない。薄いガスの中で視界は悪い。河原宿8:40着。大雪渓が薄いガスの先にうっすらと見えてくる。9:00にアイゼンを装着し、雪渓に入る。しかしあちこちにクレバスがあるので、途中で陸に上がる。その先で雪渓を左から右に横切る。水場9:35。食事休憩とする。9:50発。小雨になり、ザックカバーを装着。10:25に小雪渓を横切り、薊坂へ向かう。10:45いよいよ急坂にかかる。休憩。雨は止み、少し晴れてくる。家内にはかなりきつい。休み休み、ゆっくり登る。御浜の分岐、伏拝岳に11:45着。12:00まで休憩。ここからは外輪山の尾根道だが、何も見えない。12:45にやっと大物忌神社への分岐に到達。もう山頂も同然だ。眼前にガスの晴れ間から新山が厳しい姿を現す。下には大物忌(おおものいみ)神社の小屋。ここからは崖のような坂を下り、その先岩だらけの新山を登ることになる。家内には無理だし、下りの時間も迫っている。家内に雨具を着せ、荷物の見張りをしてもらい、小生とHさん夫妻で直ちに空身で新山を目指す。12:45発。まず崖を下る。登りは大きな岩に手を掛けて一つ一つ這い登る。雨が激しくなり、岩は滑りやすくなり、体はずぶ濡れ。13:05に新山頂上。3〜4人がいられるほどの広さ。雨は何とか収まる。対岸に家内の黄色い雨具姿が見える。大声で呼ぶと、「おめでとう」という返事がかえってくる。写真を撮って13:10に頂上を出発。岩をいざるようにして下り、崖を登って家内の待っているところへ。13:30着。13:45に皆で外輪山から下山開始。薊坂を下っている時に、家内の靴の底の踵部分が剥がれた。タオルで縛って応急処置。しばらくしてもう一方も同じ。その先で安全のためにアイゼンを装着し、靴底をしっかりと靴本体に縛り付ける。間もなく小雪渓。ガスがいくらか晴れて雪渓の表面が見渡せるので、陸からHさんに案内をしてもらい、小雪渓を上端から歩く。傾斜がなだらかで楽だ。15:10に小雪渓の下端に着く。その先、大雪渓の取っ付きに着くが、大きなクレバスがあったり、登山道との間に潅木があって陸からの案内ができないので、しばらくは雪渓を右に見ながら陸を歩く。やっと大雪渓を横切る場所に来る。ここからはガスも晴れてきたので、陸から案内してもらい雪渓を下端まで下る。ここも傾斜がなだらかだ。河原宿の小屋が見えてくる。家内はアイゼンを装着したまま。16:10に河原宿の小屋着。ここまで来るとこれから下山する人もいて、ひと安心する。小屋を16:20に出発。ここからまた八丁坂。途中、日が差して明るくなるが、雨がかなり強い。東に半円の虹が出る。都会ではこれだけ大きい半円の虹は見られない。それもつかの間、また一面のガスに包まれる。坂はまだ続き、どこまでも下る。すると忽然と滝の小屋がガスの中から現れる。小屋を17:40に出発。ここを過ぎると、とうとう靴はつま先の底も剥がれてしまう。アイゼンを外し、底なしの靴で最後の敷石の道を下る。駐車場に18:05着。宿に戻り、夕食の時間を遅らせてもらい、温泉につかって疲れを取る。宿では今日が私の誕生日であることを知ってワインをプレゼントしてくれる。夕食後にもう一度温泉に入ろうと思って、そのまま寝てしまった。日本百名山の49座目だ。

なお9月に入って皇太子殿下が鳥海山に登られたとの報道があった。写真でみると、外輪山から大物忌神社の方へ下らずにそのまま進まれて、2,230mの七高山の頂上にお着きになられたようだ。ここには小さな祠が祀られている。
 

新 山

雪 渓
 

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