e−たわごと No.380

投稿日 2007/09/07  新しい遠野へ(3)
寄稿者 八柳修之

細越さんは、自分のルーツを調べるために遠野へ移住、文献調査にとどまらず、かつて細越氏の館があったと推定され今は雑木林となっている小山を見つけた。斜面を見るとなるほど「あったずもな」(民話語りの出だしの言葉、文法的には伝聞・推定というべきか)と思わせる。その場所からは古い陶器の欠片が発見されたというから、間違いなかろうと確信して疑わない。当時、陶器は一般庶民の食器ではなかった。
また、細越さんは遠野三山と呼ばれる早池峰山、六角牛山、石上山への登山、ボランティアで登山道の整備の仕事をされ、また遠野市の将来について、民話の里 遠野、一本槍の観光だけでよいのか、識者として行政にいろいろ提言もされている。しかし反応は牛の如しのようだ。
細越さんによると、この地域では、短角牛、ビールのポップはすでに全国区、大迫のワインは地方区ながら、有望という話しである。
 
遠野盆地 麟太郎さんお気に入りの木
 
2日目、前日の雨も上がり、遠野を展望できる高清水展望台まで行った。
上の写真に見られるとおり、盆地であることがよく分かる。かつて湖であったという珍説も頷ける。写真右奥は細越村が在ったところ。
上右の写真は、兄の麟太郎さんがお気に入りの風景なそうだ。麟太郎さんが撮影すればもっとよく写せるだろうが。ここに写っているのは、黒牛和種で短角牛ではない。前沢牛、松坂牛は黒牛和種である。短角牛は赤茶色をし、黒牛和種にくらべて脂肪分が少なく蛋白質が多い。岩手短角牛は春から秋は自然放牧、冬は牛舎で飼育され、夏山冬里と呼ばれる。牛自身が自然の牧草食、年中牛舎、配合飼料で肥育される牛とは自ずと違うのだと。

下の写真はホップ畑とホップの実、高清水へ行く途中にあった。大方のホップ畑は収穫が済んでいたが、一箇所だけ残っていた。初めてみる風景である。
帰ってから調べてみると、ホップはクワ科、多年生つる草である。確かに葉は桑の葉に似ていた。ホップは言うまでもなくビールに苦味と芳香を与える原料、芳香と成分は美肌効用もあるとかで資生堂の化粧品にも使われ、ホテルでも売られていた。
ビールといえば、北海道、ホップも北海道産と思い勝ちであるが、さにあらず、全国の生産量の過半は岩手産、とりわけ遠野地区がNo.1とのことである。
栽培農家はキリンビールとの契約栽培というから安定した収入が得られるわけである。
 
ホップ畑 ホップの実
 
遠野といえば、どぶろく特区、夜、試しに呑んだが、私には強い甘酒のようで、堪能したのは池嶋さんと高野さんだけだった。そこでZUMONAという名の地ビールを呑んだ。頭にATTAを付けてみなさいと細越さんに言われた。

アルコールの話しになると、細越さんは全くの下戸であるが、是非の呑んでいただきたいワインがあると言って、わざわざ中座してワインを買いに行った。
大迫町のスパークリングワイン、ナイヤガラ(銘柄名、品種)である。
大迫のワインの歴史は比較的新しく昭和30年代の後半、町おこしのためにブドウが栽培され、当初はいわゆるぶどう酒として販売されたという。現在は大迫町のエーデルワインとして全国展開を目指している。
私は、遠野もワインの産地となる要素があると思った。日本のワイン産地といえば、山梨がNo.1であるが、温暖化によりブドウの生育に適さないようになって来たという報道を目にしたからである。とくにワイン適するブドウは昼夜の温度差が大きいほどよいとされる。この条件を遠野は満たしているのではないか? 
チリやアルゼンチンで見たブドウ畑はアンデスの山の斜面、灌漑が行き、土壌は石灰岩であった。土地はやせている方が、木にあまり実をつけないので濃い味が得られると聞いたことがあった。遠野の条件にあったブドウは必ずあるはずである。冷涼な気候の十勝でもワインは製造されている。アイスワインも面白い。短角牛のステーキにワイン、高野さん、今度、遠野へ行くときは、そんなお店に行きたいですね。
(9・7)

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