ことばあそび No.006

投稿日 2002/12/06  [ジョーク6] 三人のガリシア人
寄稿者 八柳修之
三人のガリシア人

 三人のガリシア人(スペインの北西部ビスケー湾に面した州)が、道を歩きながら話をしていたが、誰ともなく「スペイン語(カスティーリャ語)を習わなくちゃならねぇなぁ」と言った。
 やがて、とある町に着いて、それぞれが働くことにした。一人は鍛冶屋に、もう一人は百姓のところへ、そしてもう一人は検事の家で働くことになった。そこで最初の男は「ここで三人一緒に」と言う言葉を覚えた。二番目の男は「お金のためです」という言葉を、三番目の男は「結構です。どうぞ連れて行ってください」という言葉を覚えた。 

 数ヵ月後、三人は故郷の町へ帰ることとなった。その途中で死体を見つけた。そこで立ち止まってガリシア語で「ムリシーニョ(死人)」と叫んだ。その声がおまわりの耳に入り、駆けつけたおまわりが三人に訊ねた。「一体、誰がこの男を殺したのだ」。
 最初の男が「ここで三人一緒に」と答えた。そこでおまわりは「お前達はなんのためにこの男を殺したのだ」と訊ねた。二番目の男が「お金のために」と答えた。
 おまわりは頭にきて言った。「お前達がお金のためにこの男を殺したのなら、お前達を牢屋に入れ、銃殺しなければならないぞ」と言った。すると三番目の男が、「結構です。どうぞ連れて行ってください」と言った。
 そこで三人は連行され、銃殺されてしまった。


 スペインはカスティーリャ語、ガリシア語、バスク語など話す人々の集合体である。フランコ独裁時代、カスティーリャ語(カスリャーノ)以外の言語の使用を禁じたこともあって、カスリャーノを話す人が多く、カスリャーノをもって通常、スペイン語と言っているが、さらに南米では国によって単語、発音に差違がある。

 次は本当の話。1995年、気のあった5人の仲間と夫婦連れでスペイン旅行をしたが、バルセローナで、タクシーに乗ったときのKさんの体験談である。
 運転手 「だんな、俺は三ヶ国語話せるから心配ない」
 Kさん 「俺はスペイン語を話せるから問題ない。ところで、
      何語を話せるんだい」
 運転手 「カスティーリャ語、カタルーニャ語、それにガリシア語だ」
普通、我々は何語を話せるかと聞かれたとき、母国語以外の英語とか、外国語を挙げるものだ。これでは、「俺は標準語、津軽弁、鹿児島弁を喋れる」と言っているようなものである。
 ところで、付属の同級生にはコテコテのズーズー弁を喋る人はいませんでしたね。東京に出て言葉に困った人はいなかったと思います。アナウンサーになった人だっているのですからね。

余談:
 私がときどき行くお店、鎌倉の「パラドール・デ・かまくら」というスペイン料理屋に面白いオヤジがいる。スペイン在住中にカルロス5世(1517年にスペイン国王としてベルギーからやって来た)の生涯と統治の記録をもとに、その足跡を10年にわたって歩き、「カルロス5世の旅」(JTB出版)を著すなどカルロス5世の研究家であるが、面白い話を聞いた。

 カルロス5世は「ドイツ語は馬に話しかけるのに最上な言葉、フランス語は政治家と会話するのに、イタリア語は女性と語るのに、英語は鳥に呼びかけるのに、いずれも最上の言葉である。スペイン語は王や大公、神に語りかけるのに用いる唯一の言葉である」
と言った。ちなみにカルロス5世は、スペイン語を話せなかったという。

 イタリア語を勉強するべきでした。もう遅いですね。今回のジョークは脱線してしまいました。(12・6)

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