ことばあそび No.025

投稿日 2003/05/08  [ジョーク18] フランス小話
寄稿者 八柳修之

夫唱婦随
 あるスコットランド人が妻とイングランドを旅行していた。
昼時になったので、とあるレストランに入りサンドウィッチを一人前注文した。それと皿を二つ持って来るように言った。
 しばらくして給仕が、彼らのテーブルの側を通ると、仲良く半分に分けたサンドウィッチを亭主がパクついているのに、奥さんの方は自分の皿には手もつけず、旦那が食べているのを眺めていた。そこで、給仕は尋ねた。
 「奥さん、そのサンドウィッチはお気に召さないのですか」
 「いいえ、主人の入れ歯があくまで待っているのです」

深謀遠慮
 あるスコットランド人が女房から戦前に次のような手紙を貰った。
「その後、お元気のことと思います。いよいよジャガイモの苗を植える時季となりました。しかし、その前に畑を鋤きかえさなければなりませんから、日雇いを二人雇いたいと思います」
 すると彼はすかさず返事を書いた。
「愛する妻よ。畑は決して鋤きかえしてはならない。武器が隠してあるから」

 戦地からの兵隊の手紙は全部検閲を受けるので、二、三日後、細君は憲兵の訪問を受けた。憲兵は畑中をすっかり掘り返して引揚げていった。
 そこで彼女は直ぐにまた手紙を書いた。
「どういうわけか知りませんが、今日、憲兵が来て畑中掘り返して行きました」
すると亭主から返事が来た。
「愛する妻よ。直ぐにジャガイモの植付けにかかりなさい」
スコットランドの国花 アザミ
 これはスコットランド人のことを揶揄したフランス小話である。
前にも書いたが、エスニックジョークではスコットランド人はケチということになっている。
 フランス小話はユダヤジョークと並んで枚挙のいとまがない。しかし、品位を重んずるiwayama3では、残念ながら披露するわけにはいかぬネタばかりである。

 日本でフランス小話を数多く紹介したのは、フランス文学者の河盛好蔵である。そのきっかけについて河盛は次のように述べている。
 「戦前、私はある私立大学で第二外国語のフランス語を長い間教えていた。そのころの学生の大部分は最初からフランス語を覚える気は少しもない。
 どうやって一時間の授業を退屈させず持たせるかと苦心しているうちに、考えついたのはフランスの小話をして息抜きをさせることであった。
 それ以来、フランス小話を集め出したが、もともとこんな話が大好きであるから、小話のコレクションがたまって行った。
 ご感心のある方、お笑いの少ない方は「フランス小話大全」(河盛好蔵編訳ちくま文庫)をご覧ください。なお、上の二題は「フランス小話大全」の中から、数少ない披露できるお話を転載しました。
5・8 八 柳)

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